カウントダウン・パニック



「しかしこれだけではまだあなたが犯人にはめられたとは言えませんよ。」

「なっ!?」


すると本城は机をバンッと叩きつけ立ち上がった。


「人の事散々尾行していてそんな事言うの!?あなたたちは私が犯人だと思って尾行していたならこれは犯人の計画通りって事になるわ!警察は犯人に踊らされているのよ!!」

「わっ分かりましたから落ち着いて下さい…」


藤森は本城を椅子に座らせる。


(…尾行していたのバレてたのか…。後でマーク担当してた奴叱らないとな…。)


内心そんな事を考えながらメモする手を進める。

備考だがこの時本城をマークしていた刑事に悪寒が走ったという。


一通り書き終えると藤森は本城の目を見る。


「しかし、あなた一年も前に現役を引退してるいるのに、関係者しか立ち入らない楽屋裏の西階段なんてよく知っていましたね?おまけにあそこは新しく出来たばかりなのに。」

「それは…」

「それに“あの事”とは?」
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