カウントダウン・パニック
本城は黙ったままだ。
「一年前何があったんですか?」
本城は少し考えてから語り出した。
「ご存知だとは思いますが、私は一年前までは花房歌劇団団員でした。当時の劇団内ではかなり上側に位地していた方です。しかしこの世界ではトップ争いが絶えなくて私がいた時も例外ではありませんでした。ちょうど新しいオペラの配役が決まった時です。」
少し間を置き続けた。
「誰かが私の飲み物に薬物を盛ったんです。」
「なっ…」
「死ぬほどのものではなかったんですが声が出なくなってしまって。今はどうにか喋れますが以前のように歌う事はもう出来ないんです。」
「それでその薬を盛った犯人は?」
そう訊くと本城は首を横に振る。
「あのあと色々調べたんですけど結局犯人は分からずじまい。それで半信半疑でしたが真実を教えるという手紙でつられて…。」
「そうだったんですか。」
「それにこれと同じ様な事が前にもあったのでどうしても犯人を知りたくて。当時は劇団側としてはこれ以上花房の名に傷を付ける訳にはいかないという事でそのままもみ消されてしまったので。」
「えっ、以前にもそのような事件があったんですか!?」
「一年前何があったんですか?」
本城は少し考えてから語り出した。
「ご存知だとは思いますが、私は一年前までは花房歌劇団団員でした。当時の劇団内ではかなり上側に位地していた方です。しかしこの世界ではトップ争いが絶えなくて私がいた時も例外ではありませんでした。ちょうど新しいオペラの配役が決まった時です。」
少し間を置き続けた。
「誰かが私の飲み物に薬物を盛ったんです。」
「なっ…」
「死ぬほどのものではなかったんですが声が出なくなってしまって。今はどうにか喋れますが以前のように歌う事はもう出来ないんです。」
「それでその薬を盛った犯人は?」
そう訊くと本城は首を横に振る。
「あのあと色々調べたんですけど結局犯人は分からずじまい。それで半信半疑でしたが真実を教えるという手紙でつられて…。」
「そうだったんですか。」
「それにこれと同じ様な事が前にもあったのでどうしても犯人を知りたくて。当時は劇団側としてはこれ以上花房の名に傷を付ける訳にはいかないという事でそのままもみ消されてしまったので。」
「えっ、以前にもそのような事件があったんですか!?」