そのときは。
6 p.m.
窓ガラスの向こう側を、雨粒が滑り落ちた。
梅雨独特のしとしとと濡れるような天気が、どん底まで落ちたあたしに更に追い討ちをかける。
あたしは泣きたくても涙が出ないっていうのに、6月の天気は当て付けかと言わんばかりに、毎日毎日降り続いてる。
昨日、あたしはフラれた。
付き合い始めて2年8ヶ月。
32回目の記念日を迎え、将来のことまで考え始めた矢先のことだった。