そのときは。


『んー別れた。一度もうダメだと思ったら上手くいくわけねぇよな。あ、てか岡井じゃなくてユウでいいよ』


そうなんだ…


まずいこと聞いちゃったかな。





『そっか、変なこと聞いてごめんね』


『いやもう結構復活してるし気にしなくていいよ。浮気するヤツとかどっちみちムリだし』





…あ。


『もしかして、そっちも相手の浮気が原因?』





どんどん、どんどん、受信フォルダが“ユウ”で埋めつくされてく。


それに押されるようにして、“上原 悠”は下へ下へとおりていく。


人の記憶も、上書きで消していけたらいいのに…


< 12 / 34 >

この作品をシェア

pagetop