そのときは。

『…ん。亜紀ちゃん、もしかして眠い?』


「え、うーん。」


突然ユウに言われて、なんで分かったんだろうと考えていたら、口調が眠そうだからわかるよ、と笑われた。





「たぶん、泣きすぎて疲れちゃった」


『ははっお前は子供か。』


「だって、こんなに泣いたの久しぶりだよ」





まぶたが下がる。


あたしは目を開けるのを諦めた。


まぶたの裏の黒さが、余計に睡魔を呼んでくる。





何かが、頬に触れた気がした。

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