そのときは。

窓を開けて、思いきり伸びをしてみる。


清々しい天気って、きっとこういう日のことを言うんだ。





梅雨晴れの風が、心地いい。


時折吹く風が頬を撫ぜる感触に、なぜか懐かしさを感じた。





あたしは髪をなびかせながら、開いたケータイを空に向けた。


ユウと繋がっていたケータイで、今度は繋がっていた証を撮る。





シャリーン、という電子音の後、液晶内に収まる、切り取られた空。


画質は少し悪いけれど、今まで見たどの空よりもきれいだった。

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