やっぱり、すき
第一話
新しい生活
桜木高校。
今日から3年間、あたしの高校生活が始まる。
「すみれ!どうしようどうしよう!」
「うっるさい!さっきからテンション高すぎ」
中学から一緒の友達、遠藤りさ。
一番緊張した入学式を昨日終えたというのに未だに緊張してるらしい。
まあ、あたしも少し緊張気味なんだけど。
「すみれとクラスわかれたし。先が思いやられるぅ」
「りさならすぐ慣れるって」
「いや…無理だね。しかも今日自己紹介とかやるっしょ?もうやだぁ」
自己紹介……
入学式の日はクラスの子達の顔すら全く分かんなかったし、
どういう子がいるんだろ。
かっこいい人とかいるのかな。
彼氏いない歴=年齢のあたし、片岡ひな。
中学では本気で好きな人ができたことのない恋愛経験ゼロ少女である。
「じゃーね、りさ」
「おー。イケメンいたら報告よろしく!」
「うむ」
イケメン……ね。
いるのかなぁ、あたしのクラス。
ドキドキしながら自分のクラスに足を踏み入れる。
なんかもうすでに女子グループ出来てるし。
あたし出遅れた!
昨日指定された一番後ろの席に着き、とりあえずまわりをキョロキョロしてみる。
と、とりあえず一人でいる女の子に話しかけてみようか…
いやでもあたし自分からとか無理だし。
………ああ、人見知り治したい。