bat and angel ~恋するヴァンパイア~

「最後に崇山くんが校内案内をしてくれるので彼について行って下さい。」


「はい。ここからは、私が校内の案内をさせていただきます。ではこちらへ。」


それから1時間半。


どうやら彼の説明によると、第一校舎が特別科の教室棟で第二校舎が共同教科棟で、第三校舎が普通科の教室棟らしい。


「崇山くん...。」


「私の事は魁とお呼び下さい。お嬢様。」


「じゃあ...カイ...。さっき理事長が言ってた、しばらくの間、一緒に暮らすって本当?」


「はいっ!しばらくの間は、常にお嬢様のお側におりますので、何かありましたらお呼び下さい。」


崇山くんはさらりとそんなセリフを言った。


(嘘でしょ!?)


私はお母さんに目で訴えかけた。


「まぁいいじゃない。ウチにはお部屋だって余ってるんだし、一緒に学校に行くんだから。」


(えぇぇぇ~!!)


「ほら。帰るぞ。」


「は~い...。」


結局崇山くんと4月まで一緒に暮らすはめになった。


「お嬢様。お足元をお気を付け下さい。」


そう言いながら崇山くんは手を差し出してくれた。


「ありがとう...。」


なんだかギクシャクするのは私だけだろうか?

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