sweet lovers B【BL】
 教室の端まで歩いていった俺は、弁当パックをゴミ箱に投げ入れる。
 弁当パックと一緒にあった、チョコの包み紙が、蛍光灯を反射してキラキラと輝いた。

 ――ゴミを捨てるみたいにこの気持ちも捨てられれば、どんなに楽だろう。

 どうして俺は、親友を――成都なんかを好きになったんだろう。

 切っ掛けなんてもう憶えていない。
 もしかしたら、初めて会った瞬間から恋に堕ちていたのかもしれない。


『はじめまして』

 小さくて、女子みたいに細くて、なんだか頼りなくて。

『よろしくね』

 でもなぜか、成都はその時からきらきらした何かを纏っていた。
 他とは違う様に見えた。

『萩原くん』


 俺を呼ぶ成都の声が、特別なモノに聞こえた――。
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