sweet lovers B【BL】
 ――そもそも、聞こえたことが何かの間違いなんだ。

 その間違いのせいで俺はこうやって悩んでいるんだ。

 あぁ、もう。
 俺は、どうしたらいいんだ!?

 もやもやした気持ちを改めて抱えたまま席に戻ると、成都は相変わらずチョコを頬張っていた。
 チョコの山が半分以上ゴミの山になっている。

「お前……食い過ぎだろ」

「チョコは俺の動力源なんだから、いくら食べても平気です」

 うわ、コイツ絶対に今拗ねてる。
 このチョコもやけ食いだな。

 俺がチョコやらない、って言っただけで拗ねるとか……可愛いにも程がある。

 俺の成都への想いはどう足掻いたところで変わらないんだから、目の前にある幸せに浸ってもいいだろうか。

「成都」

 まやかしでもいい。
 この一瞬だけでもいい。

 成都が俺の近くにいる限り、この想いは止められないのだから。
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