sweet lovers B【BL】
「――萩原先輩!」
授業の合間の休憩も、昼休みも、成都のところへは女子が群がってきていた。
それはもう、昼飯に誘うことも出来ない程にだ。
完璧にふて腐れた俺を見かねた弓香のパシリで自販機の前に立っていると、陸上部の後輩とその友達らしき女子が二人で立っていた。
「今、ちょっといいですか?」
後輩の後ろに隠れるようにして立っている子の手には、綺麗にラッピングされた――チョコであろうものが。
頬を真っ赤にした女の子が、後輩に引っ張られて俺の前に出てくる。
「あ、あの……」
控えめに口を開いて、小さな手で袋を差し出す。
「萩原先輩が好きなんです。受け取って、貰えませんかっ?」
――成都が好みそうな、可愛い子だな。
俺には、そういう風にしか思えなくて。
「ごめんな」
もっと、他に良い言い方があるかもしれないけど。
成都だったら、別の言い方をするだろうけど。
俺には、そうとしか言えなかった。
授業の合間の休憩も、昼休みも、成都のところへは女子が群がってきていた。
それはもう、昼飯に誘うことも出来ない程にだ。
完璧にふて腐れた俺を見かねた弓香のパシリで自販機の前に立っていると、陸上部の後輩とその友達らしき女子が二人で立っていた。
「今、ちょっといいですか?」
後輩の後ろに隠れるようにして立っている子の手には、綺麗にラッピングされた――チョコであろうものが。
頬を真っ赤にした女の子が、後輩に引っ張られて俺の前に出てくる。
「あ、あの……」
控えめに口を開いて、小さな手で袋を差し出す。
「萩原先輩が好きなんです。受け取って、貰えませんかっ?」
――成都が好みそうな、可愛い子だな。
俺には、そういう風にしか思えなくて。
「ごめんな」
もっと、他に良い言い方があるかもしれないけど。
成都だったら、別の言い方をするだろうけど。
俺には、そうとしか言えなかった。