sweet lovers B【BL】
「……先輩、彼女いないですよね?」

「居ないけど、好きなヤツは居る」

「じゃあ、せめてチョコだけでも受け取ってくれませんか?」

 もう一度後輩に背中を押された女の子からチョコを受け取ると、二人は一礼して戻っていった。
 自分の手に残った、チョコレート。

 ――重い。

 気持ちに答えないとならない義務なんてない。
 答えは二つしかないのだから、迷わずどちらかを選べばいい。
 俺の気持ちは、決まっているのだから。
 それでも。
 この後味の悪さは何なのだろう。

 成都も、こんな気持ちになっているのだろうか。
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