sweet lovers B【BL】
 缶ジュースとチョコを持って教室に戻ると、俺の席に成都が突っ伏していた。
 そんな姿すら可愛くて、俺は軽く息を吐いてから成都の隣に立つ。
 俺が戻ってきた事に気付かない成都の首に熱い缶ジュースを当てると、「うわっ」と悲鳴を上げて跳ね起きた。

「何すんだよっ!?」

「弓香は?」

「知らない」

 ふい、と成都は顔を反らす。
 拗ねている時の仕草だ。

「飲むか?」

 成都の前に、買ってきたミルクティーを置く。

「俺、ミルクティー嫌いだけど」

 そういえばそうだった。

「何でそんなもの買ってきたの」

「弓香のパシリ」

 パシリとはいえ、弓香からの助け船だったんだから、律儀に買ってこなくても良かったのかもしれない。
 今頃気付いても遅いが、それくらい、自分に余裕が無かったんだろう。
 仕方ない。
 これは、弓香の机に置いておこう。
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