sweet lovers B【BL】
「清治、暗いよ!」

 沈み掛けている俺の気持ちを、成都の明るい声が無理矢理引き上げる。

「俺のチョコ分けてあげようか」

「お前と違って甘いものは苦手なんだ。これ以上増やさないでくれ」

「清治も沢山貰ってたよね。あ、弓香ってば酷いんだよ! 手作りって言ったのに、五円チョコ箱買いしてきてさぁ……」

「……え?」

 箱、買い?

「手作りじゃなかったのか?」

「弓香の手作り期待してたのに、開けたら五円チョコだった。清治は何貰った?」

「……中身は、まだ分からないけど、ビターチョコだって、アイツが……」

 今朝、弓香は俺に『手作り』だって言ってた。
 どういうことだ?
 成都のわがままに付き合って、作ったんじゃないのか?

「開けてみてよ」

 そう言われても、俺はすぐに鞄を開けられなかった。
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