sweet lovers B【BL】
「……なんで?」

「なんで、って……」

 そんな風に言われても、俺は別に弓香の味方をしているわけじゃない。

 ただ、成都が今しようとしていることは、火に油を注ぐだけの行為だと思うから。
 そんなことをして、何になるっていうんだ。

「親友の俺と弓香、どっちが大事なんだよ……!」

 ――親友。

 たかがチョコのことで必死になってる成都を見て、本当は内心、成都も俺のことが好きなんじゃないか、ってずっと考えてた。
 でも、やっぱり俺の勝手な思い込みだったらしい。

 成都の口から放たれた『親友』の一言が、俺に突き刺さる。

 ――痛い。

 現実を、突き付けられた気がする。

 俺の想いが報われることはない。
 そんなの、分かっていたことだ。

 成都の親友でいられることだけで十分じゃないか。

 十分だと、思わなければ。

 でも……!
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