sweet lovers B【BL】
 俺の前の席の椅子を引き寄せた成都は、俺の机で弁当と貰ってきたプレゼントを広げる。

「清治はもう食ったの?」

「学食行ってきた」

「今日の定食なんだった?」

「ラーメン食ったから覚えてない」

「明日の定食は?」

「知らん」

 俺が短く返事をすると、上目遣いで「俺の為に見てきてよ」とか言いやがった。

「……っ」

 ――卑怯だ。

 成都は、俺がその顔に弱いのを知っている。

 だから、わざとそういう顔をして、俺に我が儘を突きつける。

「明日になれば分かるだろ」

 成都から視線を外して、俺はどうにか言葉を返す。

「顔、赤いよ」

「煩ぇよ」


「清治は俺のこと好きだもんね」


 俺の心の内を本当に知っているのか、いつものように勝手に言っているのか。
 時々成都が言うその言葉を、俺は否定できない。
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