sweet lovers B【BL】
「なっちゃん、戻ってくる前に、三年生に告白されてたよ。いつもみたいに断ったみたいだけど」

「……何が言いたいんだ」

「バレンタインのチョコに紛れて思わぬ伏兵が居るかもね」

 さらっと怖いことを口にして、弓香はニヤニヤと笑う。
 弓香は、俺の気持ちを知っている。
 こいつになら、話してもいいと思えたから。
 
「別に俺は、成都に彼女が出来ても構わない」

「本当に、そう思ってるの?」

「出来ない方がおかしいだろ」

 成都は、可愛い女の子が好き。

 成都は、美人で可愛くて――モテる。

「諦めるの?」

「最初から、希望なんて見えてないんだ。諦めるも何もねぇよ」

 俺の気持ちを成都が受け取るかどうかなんて、所詮賭でしかない。
 一か八かの勝負に出るくらいなら、俺は親友のままで居たい。  

『清治は俺のこと好きだもんね』

 そんなこと言われたって、本気にする訳が無い。
 結局は、友情の証だったり、ちょっとした延長線上のことだ。

 成都の性格を考えたら、「親友=好き、愛してる」になってもおかしくない。

 アイツは、そういうヤツだ。
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