sweet lovers B【BL】
「ねぇ、なっちゃん」

 弓香が呼びかけると、成都はニッコリと笑顔を浮かべて「んー?」と間の抜けた声を出す。
 
「今年のバレンタインはどんなチョコが欲しい?」

「弓香の手作りで」

「義理なのに作れっていうの?」

「俺の為の特製義理チョコ」

「清治に作ってもらいなさい」

 おい、なんで俺の名前を出すんだ。
 第一、男が男にチョコをあげてどうする!

「じゃあ、清治。友チョコ期待してる」

「却下だ」

 友チョコだろうとなんだろうと、俺が成都にチョコなんて色んな意味で渡せない。

「どうせお前、食い切れない程女子から貰うだろうが」

 自分で言って軽くダメージを受けるが、成都が貰うバレンタインチョコの量はハンパなく多い。
 普段放送を聞いてるだけの女子が、こぞってやってくるんだろう。

 それだけ、成都のことを想っているヤツらが居るってことだ。
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