ー雪女郎ー 雪洞と凪
噂なんて興味のないお涼だったが、退屈であったため、覘いてみることにした。








物置倉の方に足を進めると、どんどん声が大きくなってくる。








(いた・・・)









「ここだけの話。・・・旦那様、昨晩出かけられていたでしょう?」








「最近多いわよねえ。奥様が病に伏せてから。毎晩のようにお出かけになってるわ。」








(そうなの?)








お涼は、再びため息をついた。








父は、母の病のうち、何をしているんだか。









「それが、どうも・・・吉原に通い詰めているようよ。」








お涼の顔が強ばった。
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