ー雪女郎ー 雪洞と凪
奥の間で、お涼が疲れた顔で座っていた。








実秋と凪が、急いで間に入った。








「お忙しいところ申し訳ありません。」









「お涼。屋敷を抜け出してはいけぬと、何度も申したでしょう。」








凪が厳しく言った。







幼い頃も、何度かこっそり抜け出して遊んでいたのだ。








しかし、こんな遠くまでやってきたのは初めてだった。









「秋田家に使いを送った。今日は、泊まってゆきなさい。」









実秋が言った。








「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。」









お涼は深々と頭を下げた。
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