ー雪女郎ー 雪洞と凪
しかし、二人に強い瞳を向けた。








「お二人に・・・叔母上様にお願いがあって参りました。」








凪と実秋は、顔を見合わせた。







「失礼とは承知の上です。・・・どうか、吉原についてお話頂きたいのです。」








凪の瞳に陰が走った。








実秋が、深いため息をついた。







「そなたの父が、吉原に通い詰めている、と知ったのだな?」








凪が、実秋の顔を凝視した。








お涼は頷いた。








「真を申せば、一度この目で見てみたいのです。吉原を・・・」
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