ー雪女郎ー 雪洞と凪
「吉原の知識は、清い身として嫁ぐ貴方にとっては邪となるもの。悪いことは言いません。おやめなさい。」








凪が、優しくたしなめた。







しかし、その声にはしっかりとした芯も通っていた。









お涼は、それでも食い下がらなかった。








「父はある遊女のもとに、通い詰めている、と。そして・・・側室として迎えようとしているようです。」










「見てみたいのです。・・・そこで生きている女性達と、私たちに何の違いがあるのか。同じ女でありながら、何を惹きつけるのか。」










「お願いいたします。吉原のコトをお教えくださると同時に、私に吉原へ行くお許しを下さい。」











お涼は、深々と頭を下げた。








凪は、すっと瞳を閉じていた。
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