ー雪女郎ー 雪洞と凪
「何という遊女か、貴方は聞きましたか?」








唐突に、凪が言った。








お涼は、はっと顔を上げた。








あの名は、一度聞いたら離れない。








耳に焼き付く。








そんな名前だった。









「吉原始まっての伝説花魁・・・雪洞だと。」









実秋の瞳が揺れた。








凪は、瞳を閉じたままだった。
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