ー雪女郎ー 雪洞と凪
実秋は、部屋から出て行った。








ここは凪に任せるのが、良いと察したのだろう。








凪とお涼は向かい合った。







「貴方が行くのは明晩。夜の江戸は危ないですから、くれぐれも用心するように。途中までは、籠で送りましょう。」









お涼は、頷いた。









「貴方は、吉原を見たいだけですか?」









「いいえ。雪洞という女性に会ってみたいんです。」








凪は、難しそうな顔をした。








「雪洞という花魁は、そう簡単に表には出ないでしょう。・・・呼び出しであるのなら、見世にも並ばない。」










「呼び出し?」
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