ー雪女郎ー 雪洞と凪
「あたくしは、あの場から足を洗った身。行けません。」
「そうか。」
実秋は、低く呟いた。
「凪雛を身請けした日の夜を、まだ覚えているよ。・・・相手の顔さえ分からない、新月の日だった。」
「そうでしたか?」
凪は、悪戯っぽく笑った。
実秋は、ゆっくりと立ち上がった。
「わたしはもう一度会ってみたいと思っているがね。・・・雪洞に。」
「そうか。」
実秋は、低く呟いた。
「凪雛を身請けした日の夜を、まだ覚えているよ。・・・相手の顔さえ分からない、新月の日だった。」
「そうでしたか?」
凪は、悪戯っぽく笑った。
実秋は、ゆっくりと立ち上がった。
「わたしはもう一度会ってみたいと思っているがね。・・・雪洞に。」