ー雪女郎ー 雪洞と凪
お涼は、その子に支えてもらい立ち上がった。









そして、黒猫を受け取ると厳しい口調でその少女は言った。








「悪いことは言いんせん。貴方、どっかのお武士の娘でありんしょう?そんな子がここにいたら・・・」










「わ、私の名は涼。」








「お涼、早く帰りんさい。」









お涼は、首をフルフル振って、その少女と向き合った。








よく見れば、先程見た遊女達よりもかわいらしい。









ここに不釣り合いな、京の都の娘に見えた。
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