ー雪女郎ー 雪洞と凪
「何のためにそんな格好をしてまでこんな処に来たかなんて、知りんせん。」










雪洞が、低い響きを持った声で言った。









「ただ・・・あんたはこの地獄に来るべき人間じゃありんせん。」









そう言って、桃を連れて建物に入ろうとした。








「ま、待ってください!!」









お涼は、人目も憚らず叫んだ。








雪洞は、ゆっくりと振り返った。








お涼は、雪洞の瞳を睨んだ。









「知りたいんですッ。私たちとあなた達の何が違うのか。」









雪洞は、眉をピクリと動かした。
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