ー雪女郎ー 雪洞と凪
「姫様。旦那様がお呼びです。神納様が、花見をしにいらっしゃったので、ご挨拶を・・・」








「言われなくても行く!!」







真っ赤な衣を、揺らしてお涼は走った。







「姫様!!そんな16にもなってはしたない!!」







生まれたときからついている老女の言葉を無視し、走っていった。








そして、池が見えてくると・・・






「いた!」







お涼はそこで急停止した。







家を案内する、父。







仲むつまじく、桜を見る夫婦。







この二人こそ、お涼がこの世で最も尊敬すべき二人だった。
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