ー雪女郎ー 雪洞と凪
「私には母がいます。公家の娘として、たおやかに育った美しい母が!でも・・・父はそんな母がいるにもかかわらず・・・」










「貴方を・・・選んだ。」










お涼の瞳に涙が溜まった。








「その事実を知った瞬間知りたいと思ったんです。確かに、美しい。それは、認めますっ。でも・・・」










「それだけの違いで、人を惹きつけられるとは思わない。」











「それを知るために、私はここにいる。」










そう言った。









雪洞は、黙ってお涼の言葉に耳を傾けていた。









そして、ふっとため息を漏らした。
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