ー雪女郎ー 雪洞と凪
神納実秋 カノウサネアキ。







お涼の父の兄で、幕府の老中を務める。







元は、藩主であったが、老中として幕府に身を置いたため、弟であるお涼の父が藩主となったのだ。







いわゆる棚からぼた餅。







お涼は、苦笑した。







そして、ただ一人の奥方である、淡いうす紫色の着物をまとった女性。








凪姫ナギヒメ。








姫と呼ばれることを嫌い、普段からは凪と呼ばせている、気の強い女性。








大名の奥方としては珍しく、なよなよとしなく、芯のしっかりした女性だった。







母のように、病弱でなく、いつも桜のようにどっしりとした女性だ。









お涼は、母の撫子のようなおっとりとした優しさも好きだが、







桜のように、強く、いつも前を向く凪は、何よりも美しいと思った。
< 5 / 75 >

この作品をシェア

pagetop