ー雪女郎ー 雪洞と凪
「さぁ、帰りんさい。もうここには来てはいけないよ。・・・涼。」









優しい、声だった。








お涼は、小さく頷いた。









強い人だ。








聡い人だ・・・。








本当は、とても優しい人だ。








お涼は、目尻に涙を浮かべた。









お涼の知っている世界は、狭かった。








「叔母上様。ご迷惑をおかけしました。・・・帰りましょう。」









「そ、うですね。・・・・・・」
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