ー雪女郎ー 雪洞と凪
凪は、ポツリと言った。









「・・・お涼。先に籠にお入りなさい。・・・・・・お詫びとお礼をしておくから。」










お涼は、静かに頷いた。








近くに柳の木があった。








お涼は、その陰に隠れ、その姿を見守った。








二人は長い間無言だった。








沈黙を破ったのは、雪洞だった。











「千寿は・・・死にました。」
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