ー雪女郎ー 雪洞と凪

「お涼。久しぶりですね。」







凪がこちらに気がつき、ほほえんだ。







父と実秋も足を止め、お涼の方を向いた。







実秋は、優しい微笑みを浮かべている。







お涼は、膝をつき、丁寧にあいさつをした。







「お久しぶりです。叔父上様。叔母上様。」







「ふふふ。さぁ、お涼もいらっしゃい。一緒にお花見をしましょう。」








少し、不思議な抑揚をつけて話す凪に、お涼は満面の笑みを見せた。








「お涼は１６か。そろそろ、嫁に出て良い年頃だな。」








実秋はおもしろそうに言った。







「いやいや兄上。お涼は、姫としての教養が未だ身に付かず・・・」








「姫であって、姫でない。そういうのも、おもしろいではないか。」









実秋の言葉に、お涼の父は愛想笑いをした。