ー雪女郎ー 雪洞と凪
第二夜
「それより、三条さんはまたお加減が?」







凪が心配そうに言った。







「ええ。どうも体の方が弱くて・・・」






お涼の父が少し、冷たく言い放った。






「そうですか。・・・」







「叔母上様は、いつも元気でいらっしゃるのですね。」







「わたくしは、苦境の中。育ってきたんですよ。」







お涼の言葉に、実秋と凪は笑った。







「そう言えば、姉上様は吉原の出ですからな。そりゃぁ、苦境ですわ!」








(父上様・・・)







お涼には分かった。







父のこの口調は・・・







凪を嘲笑っている。
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