本気なんです。
「あ、ついでに井上サン達のも....」
と、今の今まで存在を忘れていたのだか、ふと思い出したので聞いてみた。
「椎名...お前、ついでってヒドくない?」
なんて、冷やかな視線で拗ねたような口調で言われるのも気にせずに。
私は柊サンと番号を交換出来た事で、有頂天だった。
「で、お前は何してたわけ?」
ふいに轟サンから問いかけられて、我に帰った。
「あぁ!私、友達と飲みに来てたんだった....」
慌てて携帯で確認すると、「取りあえず、二次会はカラオケに行ってるから、気が向いたらおいで~♪」と杏奈は何も聞かずに、優しく言ってくれた。
「で、これからどうすんの?」
と聞かれてしまったので、
「岩下サン達は、これからドコに行くんですか?」
逆に質問してみると、
「綺麗なお姉ちゃんが居る店に行くんだよなぁ?」
と何とも意地悪そうな顔して、柊サンが答えたので、
「ヤラしい顔が、キモイです。」
会社に居る時には絶対そんなセリフ言えないのに、お酒が入ってたこともあって、サラッと変態を見るような顔で言ってみた。
すると、なぜかそれがツボだったのか岩下サン達が、肩を震わせ声を押し殺すように笑う姿が見えた。
訳が分からずに、キョトンとしてると、
「オレにそんなセリフ言うのは、お前ぐらいだよ。」
と、言われた柊サン本人も楽しそうに笑って、私の頭をぐしゃぐしゃっと撫でてきた。
なにがそんなに面白かったんだろう?と不思議に思ったけど、柊サンに頭を撫でてもらえた事で、自分でも分かるくらいに私の顔は綻んでいた。