本気なんです。

私が一人で、幸せ気分に浸っていると、横から岩下サンの声が聞こえてきた。


「綺麗なお姉ちゃんが居る店に行くって言うのは嘘だけど、今からラーメン食べに行くんだよ。なんなら、椎名も行くかー?」


そういや、さっきは友達と喋ってばっかりだったから、ほとんど何も食べてなくて、ちょっとお腹すいたな・・。

「私も一緒していいんですか?あっ、んじゃ今日のバーベキューのお詫びに、柊サンにゴチになりまーす!!」

と満面の笑みで答えてみた。


「おまっ..!だから、今日が中止になったのはオレの所為じゃねぇっって言ってんのに、なーんでオレがお前に奢らなきゃいけねぇんだよ。」

「わぁー。年上だし上司なんだから、ラーメンぐらい奢ってくれてもイイじゃないですか!可愛い部下がお願いしてるのにぃー。」

ぷぅっと頬を膨らませて睨んでみる。

「...ガキか、お前は。しかも、ちっとも可愛くねぇし。」

と呆れながらも、

「ワカッタ、ワカッタ。ラーメンぐらい奢ってやるよ。心の広い上司に感謝するんだな。」

なんて言ってしまう柊サンは、見た目とは裏腹に、ホントは優しいんだろうな。なんて改めて思った。


その後に、

『やったぁー!!』

と言ってたのは、私の声だけじゃなかったけど(笑)


私の一言で、結局柊サンはブツブツ言いながらも全員にラーメンを奢ってくれた。


その日食べたラーメンは、今まで食べた中で一番美味しく頂きました!






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