年上のイジワル彼氏
隆斗サイド


  隆人SIDE・・・


 ベートーベンの「運命」を弾いていたら、

 ひとりの女の子がヒョッコリ現れた。

 人と話すのが苦手なのか、顔を真っ赤にしながら「この部屋使いたいんです」と

 小さな声で恥ずかしそうに話していた。

 なんだか、かわいくて。

 からかってみたくなって。


 顔を近づけたり、額に手をあてたりしてやったら、

 いちいち純な反応をしてて、すごいカワイイ、と思った。


 そして、女の子の顔を見ているうち、ふと思った。


 このコ、OPで・・・。


 聞いてみたら、やっぱりこのコだった。


 「伝説として語り継がれていくんでしょうか」って、

 どんだけ被害妄想してんのキミ(笑)


 大丈夫って言って、頭をポンとしたら真っ赤になって。

 あわてて頭を下げたら、ピアノのいすで頭をうって。



 かわいい。

 と思った。



 やべぇな、コレ。

 絶対俺、惚れたよ。


 かわいくて、おっちょこちょいで、純粋な、彼女に。

< 10 / 90 >

この作品をシェア

pagetop