年上のイジワル彼氏


  は・・・っ??

  りゅうも、オトしたい・・・ってか。

  弥生、気が多すぎる。

  この前は社会人、その前は中学生、
  
  その前は友達の兄貴・・・

  そして俺もか。

  呆れたから、へらへら笑いながら言葉を返した。


 「俺なんかそーんなにイイ男じゃねぇよー」

  
  すると急に真剣な顔になって、

  今にもキスしそうなくらい顔を近づけてくる。

  ・・・一応ココ、公共の場ですから。

  苦笑いで言うと、不服そうに顔を歪めながら離れてくれた。


  俺はまた、楽譜に視線を戻す。

  いきなり弥生は言った。


 「ねぇ、りゅう~

  なんでピアノばっか弾いてんの?

  あたし寂しいよ~」

 
  懲りてないんだ。

  あれくらいで弥生が諦めるとは思えないけど。

  俺は弥生を軽くにらみながら、鬱陶しそうに

  色々「帰れ」だの言いまくった。

  だけど、弥生は帰る様子もなく笑顔で話しかける。

 
  その表情は、なんとなく・・・だけど、

  得意げに見えた。

  俺と話すことができない誰かに見せつけるように・・・

  って感じで。

  たぶん俺の気のせいだけど。

  俺はそのまま弥生に言葉を投げかけ続けた。
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