年上のイジワル彼氏

   ◆   ◇   ◆   ◇



  「へへ・・・へへへへ」



 あたしはゆっくりと重い扉を開けた。


  今日は、ピアノのレッスンがあります。


 ハッキリ言って、下手です。。。。。




  いつもの教室に入ろうとすると。



 ジャジャジャジャーン!!!!!!



  「ひゃ!」


 大きなピアノの音が響いた。


 えーっと、この曲は・・・



 ベートーベンの『運命』・・・だったっけ?


 何だったかよく分からないけど、すごく上手い。



 そのまま、ドアの前で聞きほれてしまった。



  「ふわぁ・・・」



 最後まで聞き終わり、ハッとして時計を見る。


 やば! 5分オーバー。



  「うぁ~、ぜんっぜんダメだ」


 中から声がする。


 男の人の声だ。 高すぎない、低すぎない声。



  「もっとこう・・・」



 

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