年上のイジワル彼氏





 え?


 今さっき、かわいいって言いました?


 あたしのことですか?



  「ごめんなさっ、いだっ」


 舌かんだ。


 頭打った・・・。


  「大丈夫?おっちょこちょいなんだ」


  「はい!えっと、この前は自転車ごと川に落ちてしまって」


 かわいいって言われたり、いきなり顔近づけられたり、

 心臓がドキドキして、恥ずかしさのあまりに失敗談を披露してしまった。


  「川!?に、チャリごと落ちたの!!?

   って、かなり痛くね?」


  「はい。すっごく痛かったです。

   だから、川の真ん中で絶叫しちゃいました」


  「やべ・・・想像したらウケる」


  「自分でも、叫ばなきゃ良かったって後悔しました」


  「うん・・・。そうだよね」


 話しながら、後悔していた。

 他に話す事あったんじゃないの?

 自分のアホな失敗談を披露してどうすんの?

  「っあぁ!!!」


 いきなり彼が叫んだ。

  「へ!?」


 彼はあたしを見て、必死に笑いをこらえるように口に手をあてている。



  「・・・っキミ、こないだのオープンスクールで・・・・っ」



 

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