小さなキス。
――――――……
「さきちゃんっ!僕あした引っ越すんだぁ!」
「え!?……くんいなくなっちゃうの?さきやだよっ!!」
これは…いつの夢?
「でもね、僕いつかまたここに戻ってこれるっておとーさんが言ってた!!だからさきちゃん待っててね!僕ぜったい戻ってくるから!!」
…あのゾウさんの滑り台、見覚えがある
ここは、この町の公園?
「…わかったっ。さき待ってるから!……くんが戻ってくるまでここにいるからっ!」
あたしまだちっちゃい…
これ東京に引っ越す前の記憶だ…
この男の子は……
「さきちゃんっ!」
はい?
「さきちゃん!!」
はい??
「さきちゃん!!!」
だから何!?
――――――……
「「さき!!」」
「……んもう…、なに……??」
あれ?お母さん…
「あんた今日始業式でしょ!?いつまで寝てんの!!遅刻するわよ!!」
………7時45分。
…………
「遅刻じゃーんっ!!!」