小さなキス。
あたしの体が宙に浮いたかと思うと晴輝にお姫様抱っこされ、自転車の後ろに座らされた
「その足じゃ走れねーだろ。ちゃんとつかまっとけよ!」
そう言って晴輝は後ろにあたしを乗せ自転車をこぎはじめた
「…ありがと晴輝。」
「なぁに言ってんだ。俺が悪いんだから気にすんな…ってかこっちこそわりぃ…痛い思いさせちまって」
…ふふっ。クールなふりしてるけど耳真っ赤じゃん
でも、元気な晴輝もいいけど
たまにはこうゆう晴輝も悪くないかな
ぎゅっ。
「おあっ、さ、沙希?」
「…晴輝だから許す!」
…………
あれ?黙っちゃった
いつもみたいに照れちゃったかな?
「…沙希、愛してる……」
ふふっ。らしくないなぁ晴輝…
"さきちゃんっ!"
……??
どうしてあの子が…
ただ夢に出てきただけなのに
何考えてんだあたしは…
ぎゅ。
「…あたしも。」
あたしは晴輝の腰にまわした手にさらに力を入れ、溢れる想いとともに晴輝を抱き締めた……