小さなキス。



「「はぁあ〜…」」

「やっと終わった…」



結局最後までお説教されたあたしたちは

正座のしすぎで足にビリビリきていた。



「てかあんたらが仲良く2人乗りで来るとこ見ちゃったぁ♪滅多にあんな沙希見れないから、良かったじゃん!晴輝っ!!」



ぽっ。

顔がほんのり赤くなったのは言うまでもなく晴輝だった。



どこまでシャイボーイなんだか…

いつもの元気をいかせよ!




そんなことを思っていると、担任の佐藤先生が教室へ入ってきた。



「おーい、席に着けー。遅刻カップルは知らないだろうが、今から始業式の前挨拶があった我がクラスの転校生に自己紹介してもらう」



「は!?転校生?この時期に?」


受験前なのに転校してくるなんて大変だろーなぁ…


「沙希沙希っ!その転校生めっちゃカッコいいよ!!」


「本当に?あたしのタイプだったらどうしよー?」



ほんの冗談。だけどやっぱり、

「なっ!?沙希には俺がいるだろっ!!」

予想通りの反応。まぁ晴輝は単純だから仕方ない。


「でも、タイプだったらどーかなぁ?」



「おい〜…沙希ー…俺こんなに沙希のこと好きなのにぃ」


「キモい晴輝。のろけんな」

ふふっ。いつもと変わらないなぁ…


そう、いつもと変わらない日だったのに



運命の日がもう来てたんだ。



「それじゃ転校生入ってきてくれ〜」




ガラガラー…





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