小さなキス。
「どうした沙希?」
「ね!かっこいいでしょ!?……沙希?どうかした?」
「あ……て、転校生ほんとかっこいいね!!あ、えっと、先生!今日親戚の法事行くんだった!!だから帰ります!それじゃー!」
あたしは鞄を持ち、教室を飛び出した。
晴輝と彩音の声がしたけどあたしは逃げるように走った…。
なっくん………
なっくんが………
ドクドクと高鳴る心臓を誤魔化すように、
あたしは廊下を駆け抜けた……