小さなキス。
『どうしてママの言うことが聞けないのっ!!』
『あんたにはやっぱりあの男の血が流れてるのね。だからそんなにわがままなんでしょう?ねぇ!!!』
お母さん…やめて……
やめて……誰か…誰か助けて───……
『ねぇ!あーそーぼーっ!!ぼくなつ!ぼくといっしょに遊ぼー!さきちゃん、今日からお友達だね!』
──────────………
はっ……
「あ………」
なっくんの夢…………
カーテンのすき間からオレンジ色の光が差し込んでる
もう5時か………
そういえば、
昼すぎに学校から帰って、すぐベッドに倒れこんだんだった…
今考えてみると、
どうしてあたしは逃げ出してしまったんだろう…
別になっくんのこと嫌いなわけじゃないのに
「はぁ………」
「よぉ。起きたか?」