小さなキス。


びくっ!!




声がするまで
隣に誰かいることに全く気づかなかった







「………晴輝。」




隣にはあたしの椅子に座っている愛しい人がいた



「お前の母ちゃんが、今沙希寝てるから部屋で待ってていいつってくれたんだよ」



あたしの疑問を見透かすように晴輝はさらっと言った




「なぁ……、なっくん…春瀬とお前知り合いなのか?」




予想もしない質問にあたしはなぜか固まってしまった



「いきなり今日早退するし、うなされて『なっくんなっくん』言うし。春瀬と知り合いなんだろ?」





あたし、寝言までなっくんて………




「知り合いだよ。まぁ小さいとき遊んでたぐらいだから、あっちは覚えてるか分かんないけどね」





「……ふーん…そーか。」




なんとなく不機嫌そうな晴輝の表情



そこから晴輝がどんな気持ちを抱いてるかなんて、
手に取るようにわかった







「晴輝〜、もしかして妬いてる?」




「なっ!べ、別に妬いてなんか…!……………ただ、寝言で名前呼ぶぐらい仲良かったんだなって思っただけだよ!」






顔を真っ赤にして話す晴輝がほんとに可愛くて





「…………ツンデレ。ふふっ」



「う、うっせぇ!///」





心の中にあったモヤモヤはどこかに消えてしまっていた




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