小さなキス。
story.1―沙希―
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「あ、えとはじめまして。相澤沙希です。よろしくお願いしますっ!」
いかにも田舎って感じの木造の教室に声が響いた。
20人もいないこのクラスで、今日から新しい学校生活だ。
「じゃあ、相澤さんの席はあそこね!」
先生はあたしの席を指さした。
……普通転校生の席ってはしっこじゃない?
どうして真ん中なんだろう。
「クラスのみんながそこにしようって決めちゃったのよ。早く仲良くなりたいからっ!て。」
どうやら顔にそのまま出ちゃってたらしい。
少しだけ気まずく思いながら、あたしは真ん中の席に座った。