小さなキス。
冬に入ったというのに、今日は春のような暖かい日差しが窓から射し込んでくる。
また眠気に襲われながらも、あたしは脳を覚まさせる。
「ねぇ晴輝…あたしが小学校に転校してきたときの夢見た。」
「ははっ!懐かしいな。何年前だっけ?」
あたしじゃなくノートに顔を向け、黒板の字を一生懸命写す晴輝。
真面目なくせに成績悪いってどーゆうことよ。
「4年前だよ。あんたえらい懐かしい夢見たねぇ。」
今ではあたしと親友の仲になった彩音。
あの頃の元気いっぱいのショートヘアーは、今では大人っぽいロングに変わった。
これがまた美人で…。
でも、あの元気の良さだけは変わんないんだよね。
「晴輝あん時、沙希に一目惚れしたんだよねぇ?」
「はっ!?いや!じゃなくて…えっと……まぁ…ぅん」
「あっはっはっ!きょどりすぎー!ねぇ沙希?」
「そだよ。今さら隠したってもうみんな知ってるんだから。」
………あら?静かになっちゃった。
「もう晴輝、しょげないでよ!まあそんな晴輝も好きだけど。」
ばっ!
「俺も沙希だいすき!!」
ふふっ!機嫌なおった♪
「ったく、彼氏がいないあたしの目の前でいちゃつくなー!」
「じゃあお前も作れや!」
「痛いとこつくんじゃねー!」
そんな言い合いをしながらも、あたしたちは3人で笑い合った。
「お前ら!うるさーい!!!」
「「……すいません。」」