[短編]ゆっくりと
Φ
何もすることがなくて外へ散歩に出掛けると雪がちらちらと降ってきた。
「どうりで寒いはずだ」
右手を肩位まであげ、雪を掌で受けとめる。
雪は掌にのると直ぐに溶けて消えた。
「秋人!」
名前を呼ばれ振り返れば綺麗に染められたダークブラウンの髪を風になびかせ、手を振って走って来る。
手を振り返せば勢いよく胸に飛び込んで来た。
「うわっ」
飛び込んで来た勢いで転けそうになるのを堪えて彼女を支えるように抱き締めた。
「何してるの?」
「散歩」
頭を撫でると嬉しそうに微笑む彼女がいる。
愛しくて、何度も頭や髪を撫でてしまう。
「冬花は何してたんだ?」
「海里と一緒にカフェでお茶してたの!」
冬花の口から馴染みある名前が出てきて秋人は目を少し見開かせる。
「なんだ、妹と遊んでたのか。楽しかったか?」
「うん!秋人の話もいっぱいしたし!」
「はあ!?」
自分のいない所で自分の話をされるのはやはり好ましくない。
秋人は苦笑いを浮かべるが気にせず冬花はニコニコと笑っている。
「どうりで寒いはずだ」
右手を肩位まであげ、雪を掌で受けとめる。
雪は掌にのると直ぐに溶けて消えた。
「秋人!」
名前を呼ばれ振り返れば綺麗に染められたダークブラウンの髪を風になびかせ、手を振って走って来る。
手を振り返せば勢いよく胸に飛び込んで来た。
「うわっ」
飛び込んで来た勢いで転けそうになるのを堪えて彼女を支えるように抱き締めた。
「何してるの?」
「散歩」
頭を撫でると嬉しそうに微笑む彼女がいる。
愛しくて、何度も頭や髪を撫でてしまう。
「冬花は何してたんだ?」
「海里と一緒にカフェでお茶してたの!」
冬花の口から馴染みある名前が出てきて秋人は目を少し見開かせる。
「なんだ、妹と遊んでたのか。楽しかったか?」
「うん!秋人の話もいっぱいしたし!」
「はあ!?」
自分のいない所で自分の話をされるのはやはり好ましくない。
秋人は苦笑いを浮かべるが気にせず冬花はニコニコと笑っている。
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