無双烈鋼サイバリオー
『古代の遺産か…』
地響きにも似た低い声が、洞窟の中にこだました。
「前座の取り巻きを出さずに、いきなり魔王自ら出て来るか…」
『我が名はマキーナ六大魔王・アンリマット。
我に挑むはバェルゼブブを倒した者か?』
「いや。
その連中に代わって来た者だ。
貴様を成敗するためにな!」
『フ…
威勢が良いな。
では我が偉大なる姿を、その眼に刻むがいい。
恐怖とともにな!』
ズオオオオオ…
洞窟の奥から、恐ろしく巨大な「何か」が這いずる音が聞こえ、それが近付いて来る!
「兄者…!」
吽行は戦慄を感じ、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「臆するな、吽行。
俺達は闘燃志瞳を持つ者。
その使命は、敵を倒す事!」
そう言い放つ阿行も、声が震えていた。
彼らを怯ませるほどだったのだ、アンリマットの姿は!
フーライボウの数倍もあるかと思われる、巨大な骨でできたムカデとでも言ったら良いのだろうか…
外側に広げた肋骨は昆虫の節足のように動き、頭部は肉食恐竜の如き姿…
それが魔王アンリマット!
『挑戦者よ…
全力で向かって来るがいい!』
《つづく》